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日高市議会議員ヨコオ貴文 九都県市合同防災訓練と木造住宅の耐震化 2024年9月議会一般質問

  • 執筆者の写真: ヨコオ貴文
    ヨコオ貴文
  • 5月21日
  • 読了時間: 13分

更新日:5月24日


ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析
ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析

 2024年9月議会で日高市議会議員ヨコオ貴文が行った一般質問の内容と答弁を掲載しています。


日高市議会議員ヨコオ貴文の一般質問要約

日高市の防災・災害対策強化に向けた訓練計画、防災士活用、木造住宅耐震化の現状と取組についての提案と議論。


トピック1. 災害の危険度とその要素

災害の危険度は「災害誘因(Hazard)」「曝露量(Exposure)」「脆弱性(Fragility)」「回復力(Resiliency)」の4つの要素で構成されると説明。

災害誘因は自然現象の規模を指し、曝露量はその影響を受ける人や資本の量、脆弱性は構造物の耐震性などを指す。

回復力は災害への備えや防災ボランティア、消防団の技能などを含み、災害素因を減少させる重要な要素であると述べた。


トピック2. 阪神淡路大震災の教訓と耐震性の重要性

阪神淡路大震災では犠牲者の81%が発災から14分以内に亡くなり、建物倒壊による窒息や圧死が主な死因であったことがデータで示されている。

昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅の80%が倒壊・大破・中破した一方、昭和57年以降の新耐震基準の住宅では軽微・無被害が75%であった。

耐震性の向上が災害時の犠牲者を減少させる重要な要素であることが強調。


トピック3. 防災士資格の意義と活用

防災士資格は「自助」「共助」「協働」を基本理念とし、地域防災力向上の担い手として期待される役割が説明。

防災士は平常時には防災啓発や訓練のリーダー役を果たし、災害時には避難誘導や救助活動を行うことが求められている。

市内の防災士は52人、市職員の防災士は3人であることが報告され、市民や職員の資格取得費用助成について他自治体の事例を参考に研究する方針が示された。


トピック4. 九都県市合同防災訓練の実施と期待される効果

10月20日に日高市で開催される九都県市合同防災訓練では、震度6弱の地震を想定した救出救助訓練やヘリコプターを使用した救助訓練などが実施される。

訓練には約100機関、750名、70台の車両、4機の航空機が参加し、広域的な応援体制や連携協力体制の強化が図られる。

防災フェアでは特殊車両展示や災害体験イベントが行われ、市民の防災意識向上と地域防災力の強化が期待される。


トピック5. 木造住宅の耐震化率と耐震診断・改修補助の取組

市内の木造住宅の耐震化率は令和5年度末で95.58%であることが報告された。

昭和56年以前に建築された木造住宅に対する耐震診断・改修費用の補助金制度があるほか、無料耐震診断相談会や簡易耐震診断が実施されている。

昨年度の実績として、耐震診断相談会では4件の相談を受け、市職員による簡易耐震診断は12件行われたが、補助金申請はなかったことが報告された。


日高市議会議員ヨコオ貴文の一般質問本文

日高市の防災・災害対策について

 5番横尾貴文です。議長の許可をいただきまして通告に従い一般質問をいたします。


 はじめに防災・災害対策についてです。

6月9日に開催された第29回埼玉県消防協会埼玉西部支部消防操法大会にて、日高市消防団から出場した第4分団が優勝、第3分団が準優勝という成績をおさめ、西部支部代表として優勝した第4分団が、7月27日に開催された第34回埼玉県消防操法大会へ出場するという栄えある結果を残しました。2018年には第3分団が埼玉県大会を勝ち抜き全国大会へ出場しており、これら近年の結果は大変喜ばしいとともに、日高市消防団の技能・士気の高さが全県的にも示されるという、災害防除の観点からは大変心強い結果であると言えるのではないでしょうか。


 災害は、自然現象のみによって生じるものではありません。

 災害の規模は、Probable loss、直訳すると予測される被害、わかりやすくいえば災害の危険度を導きだす公式による概念的な説明が、東京大学地震研究所所長を務め、政府の地震調査研究推進本部地震調査委員長や気象庁の南海トラフ地震に関する評価検討会長の平田直(ひらた・なおし)氏をはじめ地震学研究の場で示されています。


 まず要素の1つめに「災害誘因」、災害そのものの原因となる自然現象(Hazard)の規模です。震災を例に取るとこれは地震動、ゆれそのものの大きさや地割れの規模、液状化現象の規模などが挙げられます。


 要素の2つめに、どの程度その自然現象に人や資本が晒されるかという曝露量(Exposure)、曝露量とは、震災を例にすれば震域にどれだけの人がいるかであったり、どれだけの人工物や資源・資本があるか、またそれらが密集しているかどうかなどによって多寡が決まってきます。

 3つめには土木構造物などの耐震性などがどの程度であるかという脆弱性(Fragility)、


 そして4つめの要素として、生じた災害に対してしなやかにどれだけ回復・復帰・復興しようとする力があるかという回復力(Resiliency、弾力性・反発性)、具体的に回復力とは災害への備えや防災ボランティア、冒頭述べた消防団の技能や組織率などもこの中に含まれます。


 2~4つめの要素をまとめ、1つめの「災害誘因」に対して「災害素因」とし、災害の規模は災害誘因と災害素因の両方から予測されるということになります。


 災害の危険度は、人の力ではどうにもできない自然現象の規模に対して、曝露量や脆弱性をどれだけ減らすことができるか、また回復力をどれだけ高めておけるかといった人の力によって左右しうる要素があります。


 脆弱性の減少については、まず筆頭として建物などの構造物の耐震強度の向上が挙げられます。


都市型の震災として阪神淡路大震災を例にしますと、世間的なイメージでは、高速道路の倒壊や大火災、消防力の不足といったものがあるかと思われますが、警察庁調べの実際のデータに当たってみますと犠牲者の81%が発災から当日午前6時までの14分間で亡くなられており、次いで当日の6時以降が16%と、発災からの対応の遅れや医療の不備などは、必ずしも死者が多かったことの原因だとは言い切れないということが読み取れます。


 また、上空の報道ヘリからの大火災の映像も視覚的な印象として覚えている方も多いと思いますが、横浜市立大学医学部の西村氏らによる被災者の推定死因についても、焼死・火傷は12%で、多かったものは窒息54%、圧死12%、ショック等9%、打撲等8%と、建物倒壊に起因する犠牲が多く、火災による犠牲の中にも倒壊家屋の下敷きになり火災から逃げられなかった方が含まれるであろうことから、建物倒壊による犠牲の大きさが見受けられます。


 加えて、阪神淡路大震災建築震災調査委員会中間報告によれば、建築時期別の木造住宅の被害割合でも昭和56年(1981年)以前の旧耐震基準で建てられたうちの80%近くが倒壊、大破、中破、小破いずれかの判定、軽微・無被害が20%程度となっており、一方で昭和57年以降建築のものでは軽微・無被害が75%程度と、耐震性の高さによって大きな違いが出ていることから、木造住宅の耐震性の大切さがうかがい知ることができます。


 災害素因のうち防災ボランティアや冒頭言及いたしました地域の消防団の練度向上などといった「回復力」を高めることも災害への備えとして重要です。


 ここで紹介したいのが防災士資格についてです。

 防災士とは、今回例に挙げております阪神淡路大震災の教訓の伝承と市民による新しい防災取組を推進し、我が国の防災と危機管理に寄与することを目的に創設された民間の資格認証制度です。

 防災士制度については令和3年9月議会において当時の5番議員が取り上げられていますが、先日私自身、防災士の資格を取得いたしました。


 防災士の基本理念は「自助」自分の身は自分で守る、「共助」地域職場で助け合い、被害拡大を防ぐ、「協働」市民、企業、自治体、防災機関等が協力して活動する、の3つです。


 日本防災士機構は防災士に期待される役割として以下のようなことを示しています。


 平常時の活動としてはまず自分と家族を守るために耐震補強や家具固定、備蓄などを進めること、それらを親戚友人知人にも広めること、地域や職場などでの防災啓発や訓練を行うこと、必要に応じ防災訓練や図上訓練などでリーダー役を果たすとともに、自主防災組織や消防団活動に積極的に参加することがあります。


 災害時の活動としては、自身が被災した場合にはまず自分の身を守った上で、避難誘導、初期消火、救出救助活動等に当たること、

他の地域で生じた災害には避難・復旧・復興ボランティア活動、物資の調達・運搬等各種の支援活動などそれぞれの技術を活かした活動もあります。


 防災士の資格取得にあたっては、救急救命講習を含む2日間にわたる防災や災害に関する専門家による講習の受講、事前学習レポートの提出、そして筆記試験を受けた上で合格をすると防災士として認証されることができます。


 阪神淡路大震災で生き埋め・閉じ込められた方を救助した主体のうち、自力脱出が34.9%、家族による救助が31.9%、友人隣人が28.1%、通行人が2.6%で、救助隊による救助が1.7%、その他が0.9%と、大規模災害においては公助に限界が生じ、平常時とはまったく異なってしまうことから、自助・共助の領域で地域防災を担いうる立場の一つといえるのが防災士です。


以上のことを踏まえまして以下の通り伺います。


標題1防災・災害対策について、

要旨1九都県市合同防災訓練について

昭和55年から行われている合同防災訓練が10月20日に日高市で実施される予定です。

(1)九都県市合同防災訓練ではどのような訓練を実施する予定か。

(2)本市での九都県市合同防災訓練の実施により市が見込んでいる効果は。

要旨2防災士について

(1)市内の防災士の人数は。

(2)市職員の防災士の人数は。

(3)市民の防災士資格取得にかかる費用の助成についての考えは。

(4)市職員の防災士資格取得にかかる費用の補助についての考えは。

(5)防災士を活用した取組の考えは。


要旨3木造住宅の耐震診断・耐震改修補助について

(1)市内の木造住宅の耐震化率は。

現在の市内の木造住宅の耐震化率について伺います。

(2)木造住宅の耐震診断・耐震改修補助に関する取組は

本市の耐震診断・耐震改修補助に関する取組について伺います。

(3)昨年度の取組の実績は

昨年度の耐震診断・耐震改修補助に関する実際の件数、相談会参加者人数などについて、


 以上を伺いたいと思います。


日高市役所執行部からの答弁

日高市の防災・災害対策について

 総務部関係の防災・災害対策についてのご質問に順次お答えいたします。

 はじめに「要旨1.九都県市合同防災訓練について」の1点目、九都県市合同防災訓練ではどのような訓練を実施するのかについて、でございますが、埼玉県を含みます千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市の九つの都・県・政令市は、政治や経済など日本の中枢機能が集中し、様々な分野において広域に関わり合う地域であるため、ひとたび大地震が発生した場合、社会や経済活動に及ぼす影響は計り知れないものがあります。

 九都県市では、このような状況を踏まえまして、首都直下型地震や南海トラフ地震等の被害を最小限に食い止めるため、相互の連携体制の充実強化を図るとともに、住民一人ひとりの防災意識や減災への備えの向上を目指し、昭和55年からこれまで44回にわたり防災訓練を毎年実施しております。

 本年、10月20(日)には、埼玉県会場として日高総合公園にて埼玉県との共同開催となり、現在、準備を進めているところでございます。訓練の内容でございますが、救出救助訓練では、震度6弱の地震が発生したことを想定し、日高市を管轄します埼玉西部消防局をはじめとする県内の消防局、埼玉県警察、航空・陸上自衛隊、電力や通信等のライフライン事業者、消防団や地元自主防災組織等が一堂に会し、実災害さながらの訓練を展開いたします。埼玉県との共同開催でございますので、市単独では実施できない、航空機による情報収集訓練やヘリコプターを使用して、建物から逃げ遅れた人を吊り上げて救助する訓練、また市の土地の特徴を想定した土砂災害からの救出訓練や多重衝突事故に巻き込まれた観光バスからの救出訓練など、消防、警察、自衛隊等の総力を挙げた訓練を実施いたします。

 また、同時開催する防災フェアでは、消防、自衛隊の特殊車両の展示をはじめ、地震体験車や降雨体験車、VR映像により実災害が体験できるほか、ドローンの操縦体験や救助犬とのかくれんぼなど、見て、体験して、学べるイベントを行います。このほか、消防音楽隊による音楽演奏や、埼玉県警カラーガード隊によるフラッグ演技、自衛隊カレーの炊き出しも企画しておりますので、ぜひ多くの方に会場へお越しいただき、九都県市合同防災訓練を体験していただきたいと考えております。


 次に2点目の本市での九都県市合同防災訓練の実施により市が見込んでいる効果について、でございますが、九都県市合同防災訓練は、市にとりましてこれまでにない大規模な防災訓練となります。訓練全体に参加する機関は100機関を越え、参加人員は約750名、訓練車両約70台、航空機、ヘリコプター4機が参加いたします。大災害が発生した場合、救援救助など様々な場面で、県や消防、警察、自衛隊など多くの機関との連携が必要になります。合同防災訓練は、こうした機関との相互連携を実践する大きな機会でございます。この訓練を通じて、広域的な応援体制や県、市及び防災機関の被害軽減につなげる連携協力体制の強化が図られるとともに、多くの市民の方が来場し、訓練をご覧いただき、また体験いただくことで、防災に対する意識の更なる高まりと連帯意識の醸成、地域の防災力の向上につながるものと考えております。市といたしましても、九都県市合同防災訓練を契機に、今後さらに、防災関係機関、地域住民、民間事業者等と連携し、防災体制の充実、強化に努めてまいりたいと考えております。


 次に「要旨2.防災士について」の1点目、市内の防災士の人数について、でございますが、認定特定非営利活動法人 日本防災士機構に確認しましたところ、本年7月末現在で本市における防災士は52人でございます。


 次に2点目の市職員の防災士の人数でございますが、日高市職員服務規程に基づき免許資格等の届出のある者は、3人でございます。


 次に3点目の市民の防災士資格取得にかかる費用の助成について、でございますが、防災士には、地域における防災の担い手として、家庭や職場、地域の様々な場で減災と防災力を高めるための活動が期待され、平常時には防災講座や訓練を通じて地域住民への防災知識の普及啓発を行い、災害時には避難誘導や避難所の開設、運営などに幅広い知識と強いリーダーシップをもって、災害対応に当たることが求められます。本市では、市民の防災士資格取得に当たっての補助金はございませんが、講座の受講料や取得試験の受験料などの補助金を交付している自治体もございますので、他自治体の取組を参考に研究してまいりたいと考えております。

 次に4点目の市職員の防災士資格取得にかかる費用の補助について、でございますが、職員の業務能力の向上と市民サービスの向上につなげることを目的に、職員が職務に関連する資格取得に要した費用に対して、職員にはこの補助制度を活用してもらい、上限1万円を交付しております。

 次に5点目の防災士を活用した取組について、でございますが、防災士の有する幅広い知識と高い意識、優れた技能は、地域の防災力の向上に有効であり、これまでも、自主防災組織が行う防災講座の講師としての協力や、アドバイスをいただいております。引き続き、防災士と連携し啓発事業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。


日高市の木造住宅の耐震化について

 標題1、「防災・災害対策について」の要旨3、「木造住宅の耐震診断・耐震改修について」のご質問に順次お答えします。

 1点目の木造住宅の耐震化率につきましては、令和5年度末で「95.58%」でございます。

 2点目の木造住宅の耐震診断・耐震改修に関する取組についてお答えします。本市では、昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅にかかる耐震診断及び耐震改修に要する費用の一部に対し、補助金を交付しております。また、建築主事を含めた市職員と「埼玉県建築士事務所協会」及び「埼玉建築士会」に所属する建築士による無料耐震診断相談会を年2回実施しているほか、市職員による無料簡易耐震診断を随時、行っております。

 3点目の昨年度の取組実績でございますが、耐震診断及び耐震改修の補助金の申請はございませんでした。また、無料耐震診断相談会は、10月14日、15日に高萩公民館、高麗川公民館で実施し、4件の相談を受付けいたしました。市職員による無料簡易耐震診断につきましては、12件の耐震診断を行いました。


(答弁ここまで)


【日高市議会議員ヨコオ貴文 もっと、ずっと住みたいまち日高】

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