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日高市議会議員ヨコオ貴文 生成AIの活用について 2026年9月議会一般質問

執筆者の写真: ヨコオ貴文
ヨコオ貴文
9 分前
読了時間: 22分

2026年6月議会で日高市議会議員ヨコオ貴文が行った一般質問の内容について掲載しています。

ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析
ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析

日高市議会議員ヨコオ貴文の一般質問の内容


5番横尾貴文です。議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行います。

標題1、総合政策部関係について。

生成AIという言葉が広く知られるようになってから、まだ数年しか経っていません。

しかし、この数年間で技術は急速に進歩し、文章を作る、文章を要約するといった使い方だけではなく、情報を検索し、整理し、分析することや、複数の処理を組み合わせて業務そのものを支援するところまで、その活用範囲は広がってきています。

総務省の「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」第4版によれば、令和6年度の調査において、生成AIを導入済みと回答した自治体は、都道府県で87.2%、指定都市で90.0%、その他の市区町村でも29.9%となっています。

生成AIを行政で活用するということ自体は、もはや一部の先進自治体だけの特殊な取組ではなくなりつつあります。

一方で、私は、生成AIは新しい技術だからとにかく導入すればよいとも考えていません。

誤った情報をもっともらしく生成する、いわゆるハルシネーションの問題もあります。個人情報や機密情報の取扱い、著作権、偏り、情報セキュリティ、職員の過度な依存など、行政が利用するからこそ慎重に考えなければならない問題もあります。

重要なのは、「AIを使うか、使わないか」という二者択一ではなく、何のために使うのか、どの業務で使うのか、誰が責任を負うのか、そして導入した結果をどのように評価して改善していくのか、を明確にすることだと考えます。

そのような問題意識から、順次質問いたします。

 

要旨1 生成AIに関する基本的な方針について

(1)基本認識及び戦略的位置付けは

まず、生成AIに関する本市の基本認識と戦略的位置付けについて伺います。

日高市では、令和5年に策定したDX推進基本方針において、2040年を見据えたビジョンとして「みんなが快適に住み続けられる、自然とデジタルが融合したまち『MY HIDAKA』」を掲げ、デジタル技術やAIを活用して社会課題の解決を図っていくという方向性を示しています。

さらに、令和6年3月に策定した日高市DX推進計画では、「みんなにやさしい市役所」の取組の一つとして「ITソリューションの導入」を掲げ、その中で、生成AIやローコード・ノーコードツールについて、業務での活用方法を研究し、導入するとしています。

そして令和8年度予算では、DX推進事業の中に、生成AI導入等委託料145万2千円、生成AI利用料72万6千円が計上されています。

つまり、本市の生成AIに関する取組は、「研究する」という段階から、「実際に導入して使う」という段階に入ってきたものと認識しています。

また、国の動きも大きく変わっています。

今年7月14日に閣議決定された人工知能基本計画(第2期)では、地方自治体について、人口減少や社会インフラの維持・更新費用の増加など、資源制約が深刻化する中でも持続可能な行政サービスを提供するために、積極的にAIを導入できる環境を整備するとしています。

さらに、単なる業務効率化にとどまらず、AIによる自治体業務の構造変革を「自治体AX」と表現し、優良なユースケースの横展開や業務の自動化など、自治体におけるAIの適正な利活用を促進する方針を示しています。

私は、ここが大変重要な点であると考えています。

生成AIを、「職員が文章を少し早く書くための便利な道具」と捉えるのか。

それとも、人口減少や職員確保が難しくなっていく中で、限られた職員が、より市民との対話や政策形成、現場対応など、人にしかできない仕事へ時間を振り向けていくための自治体経営の手段として捉えるのか。

この位置付けによって、今後の取組は大きく変わってくると考えます。

もちろん、日高市の規模で国や大都市と同じことを行う必要はありません。

むしろ、限られた財源と職員数だからこそ、目的を明確にし、本当に効果のある部分から使っていく必要があります。

そこで本市は、生成AIについてどのような基本認識を持ち、行政運営やDXを進めていく上で、どのような戦略的位置付けのものとして捉えているのでしょうか。要旨1(1)基本認識及び戦略的位置付けについて伺います。

 

(2)取組の内容及び今後の展開は

続いて、本年度の取組内容と今後の展開について伺います。

総務省のガイドブックを見ると、自治体における現在の代表的な利用方法として、挨拶文案の作成、議事録の要約、企画書案の作成、メール文案の作成、議会の想定問答案の作成、翻訳、計画案、マニュアル案、仕様書案の作成など、幅広い業務が挙げられています。

こうした利用は、いわば生成AI活用の第一段階だと思います。

一方、今後の活用として注目されているのが、庁内に蓄積された情報と生成AIを組み合わせる方法です。

例えば、例規、要綱、各種マニュアル、過去の通知、庁内FAQなどの情報を生成AIに参照させ、職員が自然な言葉で質問すると必要な情報を探して回答する仕組みです。

総務省のガイドブックでも、自治体が蓄積してきた業務関連データを生成AIに参照させて回答精度を高めるRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)と呼ばれる仕組みについて、生成AIの活用を効果的に進める上で有効であるとされています。

職員が制度や庁内事務について調べるたびに、複数のフォルダを探したり、詳しい職員を探して聞いたりすることがあります。

こうした「探す時間」を減らすことができれば、生成AIの効果は単なる文章作成の時間短縮よりも大きくなる可能性があります。

また、国の人工知能基本計画では、AIが指示された一つの作業を行うだけではなく、自ら計画し、実行し、検証し、修正する「エージェント型AI」についても、行政を含む様々な分野への活用が急速に進むことを想定しています。

ただし、最初から高度な利用を目指す必要はないと考えています。

大切なのは、日高市の業務の中で、どこに負担があり、どこにAIを使うと効果があるのかを把握し、小さく試し、効果を確認しながら段階的に広げていくことです。

令和8年度予算では、実際に生成AIの導入経費が計上されています。

そこで、本年度の取組と、本年度の導入を第一段階とした場合に、今後どのように利用範囲や活用方法を発展させていくことを考えているのでしょうか。要旨1(2)生成AIに関する現在の取組内容と今後の展開について伺います。

 

要旨2 AIサービスの導入について

(1)調達及び選定についての考えは

続いて、実際にAIサービスを導入する際の調達と選定について伺います。

生成AIサービスは、一般的な行政システムとは少し異なる特徴を持っています。

技術の進歩が非常に速く、新しいサービスや新しいモデルが次々に登場します。

現在評価の高いサービスが、数年後も最も優れているとは限りませんし、料金体系が変更されることもあります。

そのため、単純に現在の価格だけを比較して選定すればよいというものではないと考えます。

総務省のガイドブックでは、AIの調達について、公正性、競争性、透明性を確保するとともに、効率性や経済性も必要であるとしています。また、AIサービスの普及状況や類似サービスの有無を確認し、競争性を確保できる適切な調達方式を選ぶ必要があるとしています。

私は、AIサービスを選ぶ際には、大きく少なくとも四つの視点が必要だと考えています。

 

一つ目は、当然ですが、生成される回答の性能や使いやすさです。

二つ目は、情報セキュリティやデータの取扱いです。

三つ目は、導入費用だけではなく、利用人数や利用量が増えた場合も含めた中長期的な費用です。

そして四つ目は、将来の変更可能性です。

特定のサービスに強く依存してしまい、数年後に他のサービスへ移ろうとしても移れないという状況は避けなければなりません。

国の人工知能基本計画でも、AIについて特定の国や企業への過度な依存を避け、複数のモデルを利用することなどにより、継続的な運用が可能な環境をつくることが示されています。

これは国レベルの「AI主権」の議論ではありますが、自治体の調達にも通じる考え方があると思います。

例えば、あるサービスを導入した結果、その中に蓄積したデータや利用ノウハウがその事業者でしか使えず、将来サービスを変更することが極めて困難になれば、事実上その事業者を使い続けるしかなくなります。

生成AIは今後も技術革新と価格競争が続く分野ですから、将来よりよいサービスが登場した場合に柔軟に乗り換えられることも重要だと考えます。

本年度予算では、生成AI導入等委託料と利用料を合わせて200万円を超える予算が計上されています。

導入する以上、導入することそのものが目的ではなく、その価格に見合った効果、安全性、継続性を確保しなければなりません。

そこで本市では、生成AIサービスの調達及び選定に当たり、性能、安全性、費用、運用支援、将来の拡張性やサービス変更の可能性などについて、どのような考え方で評価し、選定していくのでしょうか。要旨2(1)調達及び選定についての考えについて伺います。

 

(2)AIガバナンス及び人による最終判断の確保についての考えは

次に、今回の質問の中でも特に重要だと考えている、AIガバナンスと人による最終判断について伺います。

生成AIには大きな可能性があります。

しかし、生成AIは正しいことだけを答える機械ではありません。

総務省のガイドブックでも、生成AIの出力には偽情報、誤情報、偏った情報が含まれる可能性があると明記されています。

そのため、利用目的ごとに必要な正確性の水準を考え、生成物を人が確認するルールを設けることが重要であるとされています。

私はここで、「AIは間違える可能性があるから行政では使わない」という方向に議論を持っていくべきではないと思っています。

人間も間違えることがあります。

むしろ、AIと人のそれぞれの特性を理解した上で、どこまでAIに任せ、どこから人が確認し、どこは最初から人が判断するのかを業務ごとに設計することが重要です。

例えば、文章のたたき台をつくる業務と、市民の権利や義務に直接影響する判断では、求められる慎重さは当然異なります。

行政には、法令に基づいて判断し、その判断について市民に説明する責任があります。

その責任そのものを、AIに移すことはできません。

今年7月の人工知能基本計画でも、人とAIの協働について、「人が意思決定に対する責任を持つ」という人的主体性を中核に位置付けています。

また、人がAIの作業に直接関与する「Human in the loop」、AIに実行させながら人が監視する「Human on the loop」、そして人が意思決定や価値創造の主導権を持つ「Human in the lead」といった考え方も示されています。

私は、自治体行政において基本となるのは、最終的な責任を人が担うという考え方だと思います。

ただ、その一方で、すべての生成物について職員が最初からすべて調べ直さなければならないのであれば、AIを導入した効果は小さくなってしまいます。

ですから、重要なのはリスクに応じたルールです。

どのような業務で積極的に使ってよいのか。

どのような業務で必ず職員の確認を必要とするのか。

どのような業務でAIを使うべきではないのか。

そして、問題が発生した場合に誰が責任を持って対応するのか。

こうしたルールを、職員個人の判断に任せるのではなく、組織として明確にしておく必要があります。

総務省のガイドブックでも、自治体においてAIの利活用とリスク管理における責任者を明確にする必要があるとしています。

生成AIを安心して使うためには、「使ってはいけない」という規制だけではなく、「ここまでは安心して使ってよい」と職員が判断できる環境をつくることも重要です。

そこで本市では、生成AIの利活用によって生じ得るリスクをどのように管理し、人による確認や最終的な判断をどのように確保していく考えなのか、

また、生成AIの利用について、利用可能な範囲や禁止事項、確認方法、責任の所在などを、全庁的なルールとしてどのように整理していく考えなのか、要旨2(2)AIガバナンス及び人による最終判断の確保についての考えについて伺います。

 

要旨3 庁内の体制整備について

(1)職員の人材育成及び推進体制についての考えは

次に、職員の人材育成と推進体制について伺います。

私は、生成AI導入の成否を決める最大の要因の一つは、実際に利用する職員だと考えています。

高性能なサービスを契約しても、職員が使わなければ効果はありません。

一方で、使い方を十分理解しないまま利用すれば、情報漏えいや誤った情報の利用など、新たなリスクを生む可能性があります。

そのため、人材育成は単に「プロンプトの上手な書き方を教える研修」では不十分です。

生成AIとはどのような特徴を持つのか。

どのような場面が得意で、どのような場面が不得意なのか。

出力された答えをどう検証するのか。

どのような情報を入力してよいのか。

著作権や個人情報にどのような注意が必要なのか。

こうした基礎的なAIリテラシーを、利用する職員が身につける必要があります。

総務省のガイドブックでは、首長や幹部職員の理解、人材育成部門とDX推進部門の連携、一般職員と専門人材をつなぐDX推進リーダーの育成などが重要とされています。

さらに、職員のレベルに応じた研修や、すぐに利用できるプロンプト集などを活用して実際の利用者を増やしていくことも示されています。

そして、もう一つ非常に重要な指摘があります。

それは、AIに過度に依存することによって、職員自身の文章作成能力、読解能力、企画立案能力の向上を妨げてはいけないという点です。

ガイドブックには、「職員が自らの力で文章作成・読解や企画立案ができる能力がなければ、AIの出力結果を評価できない」と明記されています。

これはまさにそのとおりだと思います。AI時代だからこそ、職員に求められる能力がなくなるのではありません。

むしろ、「AIが出した答えを評価できる力」が必要になります。

何が問題なのかを設定する力。

必要な情報を見極める力。

法令や制度を理解する力。

AIの答えを鵜呑みにせず、疑い、検証する力。

そして最後は判断する力です。

 

人工知能基本計画でも、AIに思考や判断そのものを委ねるのではなく、判断力、批判的思考、コミュニケーション力など、人間に求められる能力を高めていく必要性が示されています。

また、人材育成と同時に、組織体制も重要です。

生成AIは、市政情報課だけが使うものではありません。

今後、総務、財政、福祉、子育て、税務、都市整備など、様々な部署が利用する可能性があります。

一方、リスク管理やシステム管理を各担当課だけに任せることもできません。

利用を推進する役割。

セキュリティを確認する役割。

法務や個人情報保護の観点から確認する役割。

効果を検証する役割。

こうした役割を庁内でどのように分担し、誰が全体を統括するのかを整理する必要があります。

総務省のガイドブックでは、自治体でもAIの利活用とリスク管理における責任者を明確にする必要があるとしています。

私は、必ずしも新たに「CAIO」という肩書を設けることそのものが重要だとは思いません。

日高市の組織規模に適した形で構わないと思います。

重要なのは、名称ではなく、誰が全庁的な方針を決め、誰がリスクを管理し、誰が各課を支援するのかが明確になっていることです。

日高市DX推進計画でも、新しいITソリューションの導入に際して、職員が新たなツールを受容し業務改善につなげられるよう、既存のサポートデスクの機能を強化するとしています。

生成AIの導入は、この方針を具体化する一つの機会になると考えます。

そこで、生成AIを適切かつ効果的に利用できる職員をどのように育成していくのか、

また、一部の詳しい職員だけに活用が偏ることなく、庁内で活用事例やノウハウを共有しながら利用を進めるために、どのような体制を構築していく考えなのでしょうか。要旨3(1)職員の人材育成及び推進体制についての考えをお聞きします。

 

要旨4 政策評価プロセスについて

(1)導入効果の検証、情報公開及びロードマップについての考えは

最後に、導入効果の検証、情報公開、そして今後のロードマップについて伺います。

私は、行政における生成AI活用で最も避けなければならないのは、「導入したことで取組が完了した」と考えてしまうことだと思います。

サービスを契約した。

職員にアカウントを配った。

研修を実施した。

これだけでは、政策の成果とは言えません。

実際に仕事がどれだけ改善されたのかを確認する必要があります。

総務省のガイドブックでも、AI導入計画には、AIの精度、業務削減量、費用対効果などの観点からKPIを設定することが示されています。

また、本格導入に向けては、AIの利用頻度、必要な精度、短縮できる業務時間などを踏まえて、費用対効果を検証することが必要だとされています。実際に、AIを導入したものの、目標とする精度が得られず運用を取りやめた自治体の事例も報告されています。

生成AIの場合、利用人数や利用回数は分かりやすい数字です。

しかし、利用回数が多いことと、行政の生産性が向上したことは同じではありません。

例えば、これまで1時間かかっていた業務が30分になったのか。

文書の質が向上したのか。

修正に余計な時間がかかっていないのか。

職員の負担感はどう変わったのか。

そして、かけている費用に対して十分な効果が得られているのか。

こうした点まで見て初めて、政策としての評価ができると思います。

特に重要なのは、削減された時間をどう捉えるかです。

定型的な文章を作る時間や、資料を探す時間をAIによって減らすことができれば、その分、職員は、これまで以上に市民の話を聞き、現場を見、政策を考え、職員同士で議論するといった、人が担う価値の高い仕事に時間を使うことができます。

私は、それこそが行政に生成AIを導入する最終的な意味ではないかと考えます。

また、効果だけではなく、課題についても検証する必要があります。

 

どの部署、業務で利用が進んだのか。

逆に、なぜ使われなかったのか。

どのような誤回答が起きたのか。

どのような業務には向いていて、どのような業務には向かなかったのか。

それを翌年度の運用や研修、調達に反映していく必要があります。

そして、その結果について一定程度、市民や議会に示すことも必要だと考えます。

AIという新しい技術を行政が利用する以上、「どのように使っているのか分からない」という状態は、市民の不安につながります。

すべての内部情報を公開するということではありませんが、どのような目的で利用し、どの程度利用され、どのような効果があり、どのような課題が見つかったのかについては、可能な範囲で透明性を確保することが、行政への信頼にもつながると考えます。

 

さらに、生成AIは変化の速い技術です。

一度計画をつくって5年間そのまま進めるという方法は、この分野にはなじみにくいと思います。

今年7月の人工知能基本計画でも、「挑戦と学習」「アジャイルな対応」が原則として掲げられ、まず試し、評価し、改善するPDCAを回し続ける考え方が示されています。

令和8年度にまず基本的な生成AI利用を開始する。

そこで効果や課題を検証する。

効果が高い分野については利用を広げる。

必要であれば庁内情報との連携など、次の段階へ進む。

一方、効果の小さいものについては見直す。

私は、こうした段階的なロードマップを持つことが重要だと考えます。

そこで本市では、生成AIの導入効果をどのように検証し、その結果を今後の取組へどのように反映していく考えでしょうか。

また、利用状況や導入効果について、どのように情報を示していく考えでしょうか。

さらに、令和8年度の導入を出発点として、試行、評価、改善を重ねながら生成AIの活用を進めていくため、今後どのようなロードマップを描いているのでしょうか。要旨4(1)導入効果の検証、情報公開及びロードマップについての考えについて伺います。


日高市役所執行部からの答弁


要旨1】生成AIに関する基本的な方針について

(1) 基本認識及び戦略的位置付けは。

 

1点目、生成AIに関する基本的な方針における基本認識及び戦略的位置付けについてお答えいたします。

 

生成AIは、昨今急速に技術が進展しており、業務の効率化や事務処理の精度向上だけでなく、職員の働き方や行政サービスの提供方法そのものを変える可能性のある革新的な技術であると認識しております。一方、情報の正確性や安全性など、留意すべき課題があることから、適切な対応が必要であることも認識しているところです。

 

これらの認識のもと、令和6年3月に策定した日高市DX推進計画において、生成AIを業務負担の軽減などの目的を実現するためのITソリューションの1つとして位置付けております。この計画に基づき、生成AIを便利な道具としてではなく、業務改善の手段として捉え、具体的な活用方法の研究を進め、本市の規模や業務の特性に応じた形で、効果的に導入できるよう準備を進めてまいります。

 

 

(2) 取組の内容及び今後の展開は。

 

次に、取組の内容及び今後の展開についてお答えいたします。

 

生成AIに関する取組については、本年度、試行的トライアルを実施する準備を進めており、令和8年度当初予算には、それに伴うシステムの利用等に柔軟に対応できるよう必要経費を計上しております。

 

また本取り組みを進めるに当たっては、埼玉県市町村DXアクセラレート事業を活用することといたしました。この事業は、導入に当たっての段取りや試行段階での準備などに対して、専門家から支援・助言をいただけるもので、これによって技術的課題の解決や適切な運用手法の構築につながることが期待されます。この取り組みを生かし、試行的トライアルにおいては、安全性を確保しつつ、業務負担軽減や作業効率の向上が見込まれる領域から段階的に取り組み、試行検証を重ねながら、基盤整備を進めてまいります。

 

今後の展開につきましては、国の動向や生成AIの技術進展を踏まえ、庁内に蓄積された業務関連データを検索・参照して回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation(検索拡張生成))等の技術の活用について、回答の正確性の向上や職員の情報収集に要する時間の削減など、業務のさらなる効率化につながる可能性を見極めながら、検討を進めてまいりたいと考えております。

 

さらに、AI技術の進化に伴い登場した、特定の目的の達成に向け、AIが自ら計画を立て、実行、検証、修正を繰り返す、いわゆる「エージェント型AI」の活用にも社会的期待が高まっているところでございます。

 

しかし、本市としましては、生成AIについて、負担の大きい業務や効果が期待できる分野から利用を開始し、職員の習熟度の向上を図りつつ段階的に進め、まずは組織内での定着を図ることが肝要であると考えております。庁内での事例や経験を蓄積し、利用業務を徐々に広げながら、職員の作業効率の向上を進めてまいりますが、進展していく技術にも注視しつつ、対応してまいります。

 

 

【要旨2】AIサービスの導入について

(1) 調達及び選定についての考えは。

 

2点目、AIサービスの導入における調達及び選定についてお答えいたします。

 

生成AIサービスの調達・選定については、技術革新が非常に早い分野であることを踏まえ、適切な評価と見極めが重要であると認識しております。本市では、業務への適合性や操作性、セキュリティ面など複数の観点により、庁内でトライアルを重ねて評価を行い、選定を進めてまいります。

 

さらに、利用量等が増加した場合の拡張性や中長期的費用、将来的な技術革新への柔軟な対応も注視していく考えです。特に、特定の事業者への依存を避けるため、選定にあたっては情報の移行性も考慮し、将来の他サービスへの移行が可能かどうかも検討してまいります。

 

現在、本市では具体的な選定基準を作成中であり、事業者選定についても今後慎重に進めてまいります。

 

 

(2) AIガバナンス及び人による最終判断の確保についての考えは。

 

次に、AIガバナンス及び人による最終判断の確保についてお答えいたします。

 

生成AIは意思決定の主体ではなく、職員を支援する補助手段であると認識しております。行政における判断には、内部事務の執行に関することのみならず、市民の権利や義務に影響を与える可能性があるため、職員による確認や意思決定が欠かせないものと考えております。生成AIはその補助手段として活用しつつ、意思決定においては人が主体的に関与する仕組みを整備することが重要であると考えております。

 

本市といたしましては、生成AIの利活用を効果的かつ安全に進めるためのルールを組織として策定し、職員が適切に使用できる仕組みの構築を進めてまいります。

 

 

【要旨3】庁内の体制整備について

(1) 職員の人材育成及び推進体制についての考えは。

 

3点目、庁内の体制整備における職員の人材育成及び推進体制についてお答えいたします。

 

生成AIを職員が適切かつ効果的に活用するためには、一人ひとりが生成AIに対する理解を深め、AIリテラシーを向上させることが重要であると認識しております。

 

そのための取組としまして、生成AIのトライアルと併せて職員向けの研修を実施する予定でございます。この研修では、生成AIの基本的な仕組みや特徴を学ぶことに加え、実際の業務利用を想定した生成AIの操作方法を習得できる内容を盛り込みます。これにより、新技術の操作及び利用などへの職員の抵抗感を軽減し、幅広く活用できる環境を整えてまいります。また、研修の中で著作権や個人情報の取り扱いについても注意を促し、安全な利用を徹底してまいります。

 

なお、本研修はAIリテラシーを身に着けるための第一段階と位置付けております。

 

AI技術が進展する中、単にAIを操作するスキルだけでなく、「何をしたいのか」「なぜそれをするのか」という目的意識を持ち、課題を明確にし、AIにどのような役割を果たさせるかを判断する能力が、今後ますます必要になると考えております。

AIが作業支援やアイデア創出を担う場面が増えるほど、人間には、問いを立てることやAIが出力する情報の妥当性を見極め、最終的な判断を行う能力が求められるようになります。

本市では、人材育成基本方針において「職員全員に求められる能力」の1つとして、「問題解決能力」を掲げており、これを「市職員としてプロの自覚を持ち、問題を分析し、解決する能力」と定義づけております。

AI活用においても、問題を分析し、解決する能力が不可欠であり、この基本方針を踏まえた能力向上の取り組みを、本研修以外にも検討してまいります。

 

なお、生成AIの活用に当たりましては、疑問点や活用事例、基本的なノウハウを内部で共有する仕組みを整備し、生成AIに関する情報を充実させることで、庁内での普及を図る考えでございます。

 

体制面については引き続き検討を進め、セキュリティポリシーを遵守しながら生成AIを安全に活用できる環境の整備に取り組んでまいります。

 

 

【要旨4】政策評価プロセスについて

(1) 導入効果の検証、情報公開及びロードマップについての考えは。

 

4点目、政策評価プロセスにおける導入効果の検証、情報公開及びロードマップについてお答えします。

 

まず効果の検証についてですが、生成AIは導入のみで終わらせるのではなく、継続的に評価を行い、業務改善につながっているかを検証することが重要であると認識しております。具体的な測定項目や評価方法、今後の取り組みへの反映については未定でございますが、業務削減量や職員の業務負担軽減といった定量的、定性的な観点を考慮し、慎重に検討してまいります。

 

次に情報公開についてですが、生成AIを活用する行政として透明性を確保することが重要であると考えております。具体的な公開手法については未定でございますが、内容も含めて検討を進めてまいります。

 

最後に、将来的な生成AI活用のロードマップについてですが、現段階では個別に計画を定める予定はございません。冒頭申し上げましたとおり、生成AIは日高市DX推進計画において、業務負担の軽減などの目的を実現するためのITソリューションの1つとして位置付けております。まずは、その目的及び日高市DX推進基本方針に定めております本市のビジョンであります「みんなが快適に住み続けられる 自然とデジタルが融合したまち “MY HIDAKA”」を実現するため、人の業務と生成AIの補助的役割のバランスを意識しながら、進化する技術に柔軟に対応できる環境を構築し、適切に活用してまいります。


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